ギャラリー会 吉祥寺・井の頭公園前に佇む蔵画廊

2015.11.11 – 11.15 職人展 ~エジプト 三つの村より~ by Nefer Gallery

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AKHMIMの刺繍絵、FAYOUMの陶器、HARRANIAのタペストリー
遠く離れたエジプトの3つの村からNefer Galleryが現地で特別にセレクトした作品がギャラリーを彩ります。
今回ご紹介する作品一つ一つに心が温かくなるような不思議な魅力が宿っています。

 

職人展
~エジプト 三つの村より~
by Nefer Gallery

会期 : 2015/11/11(水)-11/15(日)
時間 : 11:00〜18:00

 

|ごあいさつ|
Nefer Gallery を始めて9年が経ちました。
毎年、エジプトに行くたびに訪れる3つの場所があります。
刺繍絵のAkhmim、タペストリーのHarrania、陶器のFayoum。
この3つの村に行く度にこのギャラリーを続ける事ができた喜びを感じます。
それは、職人と村人たちの生活を近くで感じられるからです。
忍耐強く信頼を築いていった結果、彼らもまた、私が訪れる日を待ってくれるようになりました。
そして一番良い作品を競って見せてくれます。

精巧な手仕事の文化を持つ我々日本人には、これらの作品はあまりに素朴だと感じられるかもしれません。
しかし、村人の純粋でまっすぐな感性が作品に溢れています。その魅力に魅了され、
毎年作品を楽しみ待っていてくださるファンの方がいてくださることは本当に喜びです。

この度は、この3つの村を一挙にご紹介させていただきます。
エジプトの村の長閑で穏やかな空気をGALLERY KAI さんのお蔵で体感していただければ幸いです。

Nefer Gallery
代表 金田理惠

 

あひる、ろば、ねこ、ヤシの木… 作品に表現されたのんびりと幸せそうな田園風景・・・・
それまで出会ったことのない素朴さとあたたかさが宿ったエジプトの村からの刺繍作品や陶器に私は
一目で魅了されました。以来、少しずつ集めてきた作品たちは私の日々の暮らしに明るさと
ほっこりとした空気感を与えてくれています。

これらエジプトからの作品を日本に紹介しているのがNefer Gallery です。
代表の金田理恵さんは現地の情勢が不安定なときでも毎年現地に赴きエジプトの職人による作品を
日本に紹介してきました。 また利益の一部を毎年エジプトの子供たちや難民の子供たちを支援する
施設に直接寄付を届ける活動を続けています。

昨年の秋は大好きなAKHMIM の刺繍絵をGALLERY KAI でご紹介する機会に恵まれました。
今年は刺繍絵に加えてタペストリーや沢山の陶器も一緒です。
Nefer Gallery さんがあたたかな眼差しと審美眼で一つ一つセレクトしたエジプトの村々からの作品は
どれもピュアで優しく不思議な魅力のある作品ばかり。
ぜひGALLERY KAI でそれらの作品を触れてみてください。
世界でたった一つのお気に入りに出会えるかもしれません。

GALLERY KAI
高田 伊知子

 

|三つの村のご紹介|

・AKHMIM
上エジプトに位置するAkhmim では、人々の教育、社会復帰、生活支援を行っているNGO
「AUEED (Association of Upper Egypt for Education amd Development)」により、Akhmim の女性たちに1年をかけて1枚の刺繍絵を作らせています。そして、年に一度開催されるカイロでの展示会にて販売し、その売り上げが作者の1年間の収入源となります。優秀な作品には相応の金額がつけられて販売されるので、より良い作品を追求することで多くの収入が得られるということを学んで行きます。

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・FAYOUM
50年前にエジプトに移住した陶芸家のマダムイヴリンはFayoum という村で陶芸学校を開きました。
当時の村は仕事も少なく貧しい村でした。陶芸を通して子供たちを育て、陶芸の技術を磨かせていきました。
その子供たちも今では立派な陶芸家として成長し、現在Fayoum は「陶芸の村」と呼ばれるように
なりました。また、村人の暮らしを支えてきたマダムイヴリンは人々から「Fayoum の天使」と呼ばれ
愛されています。カイロから1時間半、突然大きな湖カールーン湖が現れます。ここは7万年前
ナイル川が氾濫し生まれた湖です。紀元前1800年前、王朝が運河を作り貴重なエジプトの穀倉地帯
となりました。今でも長閑な田園風景が広がっています。
そして彼らの作る陶器もまた大らかで愛らしいものばかりです。

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・HARRANIA
今は亡きEl Awaldy 夫妻は、村人たちにタペストリー技術を教え彼らの暮らしを支えてきました。
今ではHarrnia は「織物の村」として周知されています。一番手の職人Nagi は村の若い女性たちに
その巧みな技術を伝えています。縦糸の綿を紡ぎ、横糸の毛糸を染色し、原画のパターンもなく
頭の中の構図をイメージしながら織り上げる技術は、タペストリーの魔法使いとも言えます。
この度はタペストリーの「習作」をご覧いただきます。まだまだ駆け出しの作品ではありますが、
その色使いは彼女たちから溢れる感性を感じます。そして今後大きな作品に挑もうとする躍動感を
感じていただけるでしょう。一番手職人のNagi による大作と合わせてお楽しみください。

 

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